趣味日記

ゆる~く、ね

君の名前で僕を呼んで

この胸の痛みも、最上の時も、ひとつ残らずすべて忘れない。

これが人生。

 

 

私の人生にはないはずの夏を画面の中に見て、これが、これこそが生きるということだと感じさせる。このひと時はかけがえのないもの。

最上の時に戻ることができなくても、この胸の痛みが尾を引き心を締め付けてきても、この体験こそがきっと幸せでかけがえのないこと。この時を、この感情を決して忘れることはしたくない。

 

自分の人生を振り返ると、この映画のようにただ心も体も真に求めて、通じて、何にもとらわれずに想いをぶつけた事なんて一度もないんだけど、それでも少なからず誰かと心を交わしたひと時や、体を重ねた瞬間を思い出して、あぁ、あれもこれも私の人生に確かに存在したことで、一つ一つが必要な、かけがえのない時だったと思い出させられる映画でした。

 

ティモシー・シャラメ目当てで休日の昼間に見よう~と気楽な気持ちで見始めたのに、どんどん世界に引き込まれて。最後のほうは自分でもよくわからないくらい感情にあふれて涙が止まらなかった。

 

周りの目や社会的常識などにとらわれず、自分の感情を抑えずにいられる、通じ合える相手との出会いはかけがえのないものだし、それこそ運命的な出会いで、歳を重ねてしまった私にこの先そういう出会いがあるのかどうかわからないけれど、そういう相手と出会えたら後悔せずに想いを伝えたいな。たとえ結ばれることはなくても。

 

好きな人、愛した人と別れること、どうしようもなく結ばれない現実を受け入れることはとても心が痛く苦しく切ないけれど、その痛みが、本物だったと気づかせてくれるのもまた事実で、切ないけど美しくて愛おしいなぁと思いました。

 

GYAO!で無料配信してくれていたので、見ることができました。よかった。

 

作品:君の名前で僕を呼んで(Call Me by Your Name)